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徒然閑話 Column

2015/07/03

2015年(平成27年)7月 文月

 7月に入りました。博多の街は、15日まで「博多祇園山笠」で賑わいます。この山笠のお話しは昨年7月のこのコラムで触れましたので今回は省略いたします。
 さて、今回は「ふるさと納税」のことを取り上げてみます。
ふるさと納税を扱う、あるポータルサイト運営会社の調査では、昨年寄付を受けた自治体の上位10位中、何と5自治体が九州でした。第1位はよくマスコミでも紹介されている「平戸市」です。同市のHPを見ると平成26年度の寄付金受入れ実績は約14億7千万円。人口が33,448人(6/1現在)ですから、住民一人当たり平均約44千円の寄付を受けたことになります。(1戸当たり平均約103千円)また、制度が始まった平成20年度からの寄付金累計額の97%が昨年度に集中したようですから大ブレークと言いていいでしょう。ポイント制の導入というアイデアが功を奏したようです。

ご存知の方も多いと思いますが、今年は税制改正で次の2点が大きく変わりました。
①    実質自己負担2千円で寄付できる限度額が2倍に拡大
②    5自治体までの寄付であれば条件付きで確定申告が不要
これを受けて、各地方自治体は更に「贈答品」にアイデアを凝らして、寄付者(納税者)心理をくすぐっているようです。
 この「ふるさと納税」制度。どうしても「贈答品」という目の前にぶら下げられた「ニンジン」に目を奪われがちですが、実際やってみると、その地域に対する興味や関心が湧いてくるものです。機会があれば訪問してみようという気持ちになったりもします。ふるさと納税は、「もの」だけではなく「こころ」の交流があって持続可能になるような気がします。

 ところで、政府は「ふるさと納税」を「地方創生」の切り札のように位置づけ、今後も推進を強化していくようです。先月末には、菅官房長官が秋田市での講演で「企業版のふるさと納税があってもいいのではないか」と発言し、財務省、総務省、内閣府に検討を指示したようです。どのような案が登場するのか興味津々、と言ったところです。

 さて最後にもう一言。高額所得者に優遇されていると言われるこの制度、14億円の役員報酬が報道された某上場企業の社長の場合はどうでしょうか。これぐらいの所得の人がふるさと納税する場合の限度額は約6千万円です。すなわち、6千万円までの寄付であれば、実質自己負担額2,000円で所得税・住民税がほぼ同額還付等されるというわけです。寄付額の40%~50%が贈呈される特産品の相場のようですから、2千円の自己負担で3千万円近くの品物やサービスが手に入ることになります。良し悪しは別として凄いことですね。(なお、受け取った特産品等は「一時所得」となるようです。念のため)
(代表 灘谷 和德)