福岡の経営管理の業務受託 博多の公認会計士・税理士 黒川合同会計事務所

徒然閑話 Column

2017/10/02

2017年(平成29年)10月

~ 「空き家と所有者不明土地問題」について思うこと ~

 先月末、某銀行主催の講演会に出席しました。講師は元総務大臣で、現在は東京大学公共政策大学院客員教授を務める傍ら野村総合研究所でも活躍しておられる増田寛也氏です。昨年の都知事選に立候補し、小池百合子氏と競った方としても知られる方です。  講演テーマは「地域経済活性化の処方箋」。様々な角度から「地方創生」の課題を取り上げ、関連するデータを示しながらのポイント解説で、興味深く拝聴しました。  その中で、特に関心を持ったのが「空き家」と「所有者不明土地」の問題でした。かねがねこの問題はマスコミ等でも取りざたされており、私どもの事務所でも所有者の相続発生時などで調査の対象となるものです。  まず、「空き家」問題は、現在820万戸の空き家があり、2040年には2150万戸にもなるとのことです。(野村総研分析)こうも空き家が多くなる理由としては、

①核家族化と高齢化社会では親の家を相続しても相続人は中高年者で既に自宅を所有しているか、生活圏が離れているため居住する必要がない。

②賃貸しようにも老朽化が進んでいるため借り手が見つからない。

③解体撤去すればその費用が必要となり、その後の固定資産税等の負担が重くなる。

などがあげられます。では、地域によってどれくらいの空き家率になっているのか、政府の統計調査結果をHPから入手してみました。(空き家率は筆者にて計算)

2017.10

 次に、「所有者不明土地」問題です。現在410万ha(ほぼ九州の面積)の所有者不明土地が2040年には720万ha(北海道が770万ha)になると予測されるとのことです。これも様々な理由が背景にあるようですが、①所有権移転(特に相続による名義変更)時の登記の義務化や②相続時の登録免許税の免税化や軽減なども対策となるのではないでしょうか。また、折角スタートしたマイナンバー制度を活用し、市町村が保有する「戸籍」情報と法務局が保有する「不動産登記」情報をリンクさせるなど、関係機関にはいろいろ知恵を絞って頂きたいものです。

(2017年10月1日 事務所代表 灘谷 和德)