福岡の経営管理の業務受託 博多の公認会計士・税理士 黒川合同会計事務所

徒然閑話 Column

2016/03/01

2016年(平成28年)3月

今月は若い世代の方々に向けたお話です。私が会計学を学び始めた頃は、「引当金」には「負債性引当金」「評価性引当金」「特定引当金」といった分類がありました。それが、その後の「企業会計原則」の改正で、これらはいずれも「将来の特定の費用又は損失の計上」に係るものとして一本化されました。ポイントは将来に向けて負担(支出)が回避できないネガティブな「負債」だということです。
(但し、減価償却引当金は減価償却累計額として、貸倒引当金は「資産」のマイナス項目として取り扱われます)

 これに対し、「準備金」というのがあります。これは企業活動の中で稼得した余剰金を将来の特定の目的のために積み立てておこう、と言うもので、B/Sでは「純資産」に属します。こちらのポイントはポジティブに留保された純資産(資本)と言うことです。

ところで話は変わって、皆さんのご両親はご健在でしょうか?私はと言えば自分の両親は既に他界し、妻の両親は高齢ですが健在です。そこで思うのは「親孝行」の3文字です。親に感謝の気持ちを込めて報いる行為、ということでしょうが、若いころはなかなか実践できないことが多いのではないでしょうか。今すぐには実践できなくても、将来有形無形さまざまな形で行うことは可能です。ただ、現時点でそれをどう認識するかが大事ではないかと思っています。「将来の費用(コスト)」と考えるのであれば「引当金(=負債)」で義務的なニュアンスになります。これに対し、自分の意志・気持ちで積み立てておくものだと考えれば「準備金(=純資産)」で、親孝行をしようというポジティブな意識の反映となります。

 皆さんはどうお考えになりますか?そしてマイB/Sにどう計上なさいますか?
いずれにしても、先人が言う「親孝行、したいときに親はなし!」ということは避けたいものですね。私の反省の気持ちを込めて・・・。

(2016年3月1日 代表 灘谷 和德)

20160229警固神社の椿(圧縮)   20160229警固神社の梅(圧縮)


掲載した写真は、福岡市中央区天神の「警固神社」境内に咲いていた椿と梅の花です。
(2016.2.29撮影)

2016/02/02

2016年(平成28年)2月

 暖冬にすっかり慣らされていた昨今、先月下旬に突然襲来した寒波は全国に大きな影響をもたらしました。沖縄本島で観測史上初、奄美大島でも115年ぶりの降雪とか。大牟田市など福岡県各地で水道管破裂による断水状況が続き、日常生活に大きな支障をきたしました。暖房設備のない台湾では多くのお年寄りが室内で亡くなられたとの報道もありました。そういえば、30数年前、旅行で行った北海道が記録的な猛暑で、クーラーは勿論扇風機さえないホテル(立派なPホテルでしたが)で眠れぬ夜を過ごした経験がよみがえりました。滅多にない異常気象にどう備えるべきか、改めて考えさせられたところです。

さて、先月は「人材(人財)」を会計学的に考えてみよう、と言うテーマでこのコラムを書きました。その後、結構反響があり、いろいろな方からご意見や友人にも紹介したい、と言った声をお寄せ頂きました。そこで、今月も同じコラムを継続してアップしようと思った次第です。手を抜いているようで少し気が引けますが、もう1ヶ月お付き合いください。

会社の経営資源は「ヒト・モノ・カネ」と昔から言われています。企業活動にあってはなくてはならないものです。この内、「モノ・カネ」はB/Sに資産として計上されていますが、「ヒト」は簿外で、給与が支払われる都度経費処理されています。何か不整合をお感じになられませんか?固定資産は耐用年数を設定して減価償却を毎年行います。「ヒト」も採用した時に財産を取得したと考え、一定期間(定年までの期間でもいいのですが)の見込み総収入を資産計上し、毎年分を給与に振り替える、と言う会計処理(あくまでもイメージですが)があっても不思議ではないように思います。仮に平均生涯所得を2億円と仮定すれば、一人採用して2億円、10人いれば20億円。こう考えれば、会社にとって大きな、そして重要な資産と言うことに改めて気づくことになります。

人間(社員等)をモノ扱いして資産計上するなどもってのほか!とお怒りの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、資産として認識せず、毎事業年度のコストとしか考えないように思える現在の会計の方が「ヒト」を軽んじているように思えてしかたないのです。

それどころか、書画骨董のような特別なものを除けば、「モノ」は減価し、いつしか償却完了または除却となります。これに対し「ヒト」は技術的・精神的に成長することによって、時の経過とともに評価が増大します。

いかがでしょうか?論拠に無理があることは承知しておりますが、「一億総活躍社会」をスローガンに掲げる昨今、本当に人が活躍できる環境づくりのためにも、年の初めにこのような視点から「ヒト」の価値・大切さを考えてみてはどうかと思う次第です。

(2016年2月1日 事務所代表 灘谷 和德)

2016/01/05

2016年(平成28年)1月

新年明けましておめでとうございます。

本年も、皆様方にとって良い一年となりますようお祈り申し上げます。

 さて、安倍政権の強い意向を反映して、先月、消費税軽減税率を採用する政府案が発表されました。今後若干の修正があったとしても、国会を通過するものと思われます。この件に関しては、今後、弊事務所主催の研修会でも取り上げる予定ですし、HPでも情報をお伝えしますので、ここでは割愛させて頂きます。

 弊事務所のHPを全面リニューアルし、このコラムを連載し始めて3年目を迎えます。これまで「徒然なるままに」その時々の話題などを取り上げてきましたが、今年もよろしくお付き合い頂きたいと存じます。

さて、年の初めの今回は「人材(人財)」を会計学的に考えてみようと思います。

会社の経営資源は「ヒト・モノ・カネ」と昔から言われています。企業活動にあってはなくてはならないものです。この内、「モノ・カネ」はB/Sに資産として計上されていますが、「ヒト」は簿外で、給与が支払われる都度経費処理されています。何か不整合をお感じになられませんか?固定資産は耐用年数を設定して減価償却を毎年行います。「ヒト」も採用した時に財産を取得したと考え、一定期間(定年までの期間でもいいのですが)の見込み総収入を資産計上し、毎年分を給与に振り替える、と言う会計処理(あくまでもイメージですが)があっても不思議ではないように思います。仮に平均生涯所得を2億円と仮定すれば、一人採用して2億円、10人いれば20億円。こう考えれば、会社にとって大きな、そして重要な資産と言うことに改めて気づくことになります。

人間(社員等)をモノ扱いして資産計上するなどもってのほか!とお怒りの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、資産として認識せず、毎事業年度のコストとしか考えないように思える現在の会計の方が「ヒト」を軽んじているように思えてしかたないのです。

それどころか、書画骨董のような特別なものを除けば、「モノ」は減価し、いつしか償却完了または除却となります。これに対し「ヒト」は技術的・精神的に成長することによって、時の経過とともに評価が増大します。

いかがでしょうか?論拠に無理があることは承知しておりますが、「一億総活躍社会」をスローガンに掲げる昨今、本当に人が活躍できる環境づくりのためにも、年の初めにこのような視点から「ヒト」の価値・大切さを考えてみてはどうかと思う次第です。

(2016年1月5日 事務所代表 灘谷 和德)

R0022846

(写真は新年の集合写真です)

2015/12/07

2015.12月 師走

今月はこのコラムのアップが1週間遅くなり申し訳ありません。と言うのも、今月の第1週は、私的にはいろいろな行事などが集中し、そのご報告もさせて頂きたいと思ったからです。

①    11/30 私が所属し理事も務めさせて頂いている「一般社団法人九州学士会」の理事会&評議員会&総会が開催されました。会員の高齢化に伴い会員数が減少傾向にありますが、社会の第一線で活躍された先輩方が多くいらっしゃる中で感化を受けることが多々あります。旧七帝大OBが基本メンバーですが、最近はそれ以外の方も入会されています。もしよろしければご一緒しませんか。

②    12/3 待望の「王讃会」開催日。昼にゴルフコンペがあり、私は参加していませんが会員56名と王会長、工藤監督を含め15名の選手・コーチが参加されたようです。

夜は懇親会。今回は工藤監督と21名もの選手が参加。しかもほとんどの中核選手が顔を揃えたこともあって、会場は大賑わい。私もテンションがハイに。工藤監督から来年のV3が宣言されお開きとなりました。

③    12/4 SMBC経営者交流会がホテルオークラ福岡で開催されました。東京大学名誉教授の北岡伸一氏の「日本の外交・安保戦略」の講演。日本の安全保障政策推進の中枢にいる方の話を直接お聞きし、改めて中国の異質さと脅威を感じたところです。

その後は國分毅頭取によるご挨拶と景況に関するコメントを拝聴し、知己の経営者や行員の方々と交流して身も心も満タンにして帰って参りました。

④    12/5 弊事務所の本年最後の内部研修会。朝9時から夕方5時までみっちり勉強いたしました。内1時間は外部講師をお招きし、事業承継手段としてのM&Aの最近事例や手法を、ディスカッションを交え有意義な時間を過ごしました。その他、マイナンバー制度の実務対応などを確認し、プログラムを終了いたしました。

この日の成果をクライアントの皆様に提供できるよう、来年も頑張って参りたいと考えております。

 末筆になりましたが、来年の皆様方のご健勝とご繁栄を心より祈念致しております。

 良い年をお迎えください!

(写真は王讃会と関連記事を掲載した翌日の西日本スポーツの紙面です)

20151204王さん  20151204工藤監督  20151204工藤監督と  20151204柳田3  西日本スポーツ記事1

2015/11/02

2015.11月 霜月

今年も昨年に引き続き福岡ソフトバンクホークスの日本一達成で、博多の街は大いに盛り上がりました。ファンの心情としては、圧倒的な強さで優勝してくれて嬉しいという反面、福岡で決めて欲しかった、もう少し長く試合を見たかった、という複雑な思いもあったのではないでしょうか。ハラハラドキドキした昨年と比べ、呆気ないような物足りないような。贅沢言っちゃいけないでしょうが・・・。

さて、今月は日本郵政グループ3社の株式が上場されます。グループ3社の資金調達総額は1兆4362億円!「NTT」「NTTドコモ」に次ぐ歴代3位の大型上場です。

過去の主な政府保有株の上場では次のようになっていました。

 

上場年

銘柄

売出・公募価格

初値

初値騰落率

1987年

NTT

1,197千円

1,600千円

33.7%

1993年

JR東日本

380千円

600千円

57.9%

1994年

JT

1,438千円

1,190千円

▲17.2%

1996年

JR西日本

357千円

360千円

0.8%

1998年

NTTドコモ

3,900千円

4,600千円

17.9%

2015年

日本郵政

1,400千円

2015年

ゆうちょ銀行

1,450千円

2015年

かんぽ生命

2,200千円

 

さて、今回はどれくらいの「初値」がつくものか?それは11月4日(上場日)に結果が出ます。購入希望(需要申告⇒申込証拠金支払)された方にとっては大きな期待を込めてその日を迎えられることでしょう。問題はその後の株価の推移。少し時間をかけて注視する必要があるかもしれません。

(写真は10/1のヤフオクドーム最終戦と10/6CS第3戦で撮影したものです)

20151001ドーム最終戦1 20151006工藤監督胴上げ

2015/10/01

2015年(平成27年)10月 神無月

 9月12日午前5時49分、東京湾を震源とするM5.2(震源の深さ57km)の強い地震が発生しました。東京・調布市では最大震度5弱を記録。また、都内や神奈川県の横浜市、川崎市、千葉県の浦安市など広い範囲で震度4を観測しました。

 私はこの日、久しぶりの社員旅行で銀座のホテルに宿泊していましたが、早朝の大きな揺れでたたき起こされました。日頃地震と縁遠い福岡在住者にとって、この揺れは只ならぬ事態!しかし、東京の住民にとっては日常の風景だったのかもしれません。出勤者が少ない土曜日とは言え、早朝から街を行き交う人々の姿はごく普通。慣れると何ってことないものなのか?でも、こういうことには慣れたくないものだ!これが率直な感想でした。それにしても、東京オリンピック開催に向けますます首都圏に集中する大型建造物の建設は大丈夫なのでしょうか?気になるところです。

  さて、今月は全国各世帯にマイナンバーの通知書が送られてきます。先月のこのコラムでも取り上げたので詳細は割愛させて頂きますが、いよいよ始まるな、という感じでしょうか。

 10月はスポーツ月間。十分に準備運動をしてスポーツに取り組んでください。私は先月参加した中学の野球部OB会で、すっかり「打てない、守れない、走れない」の三重苦状態に陥っていることに愕然とし、基礎体力アップ目指して頑張ってみようと思っています。

(写真は地震が起きる前日、東京スカイツリーの展望デッキで撮影したものです。)

(代表 灘谷和德)

20150911東京スカイツリー1

2015/09/01

2015年(平成27年)9月 長月

 先月24日、25日にかけて九州に上陸した台風15号は、強い風雨で各地に大きな被害をもたらしました。皆様方の被害状況はいかがだったでしょうか?被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。

最近の台風は、日本が亜熱帯化しているせいか近海の海水温が高く、その影響もあってか、これまでとは違った進路を辿るように感じます。しかも勢力を温存・強化しながら、時として1回転したり、ブーメランのように急旋回したり、です。

今回の台風15号は、福岡市のほぼ真上を通過したこともあって、交通機関がほとんど運休・運航となり、大きな影響があったようです。弊事務所でも、結構遠方から通勤するメンバーが多いため、25日に出勤できたのは1/3の7名だけでした。こういう事態になっていつも思うのは「職住接近」。いざ!と言うときにすぐに駆けつけられる所に住まいを置く。そうでなくても通勤等で疲弊しない程度の距離に住まいを置く。これが基本かと思います。今や最高の贅沢でしょうが・・・。

先月は2度に渡り弊事務所主催の「マイナンバー制度」セミナーを開催いたしました。多くの方々にご参加頂き有意義なセミナーだったと思っております。来月1日からは皆様のお手元にもマイナンバーの「通知カード」が送られてくることになります。日本の郵便史上最多となる5200万件の書留郵便が一斉に送付されるとのこと。これは過去に類を見ない大変な作業です。マイナンバーも郵便事業も所轄は総務省。うまく捌いて頂きたいものです。これに対し、厚労省は諸般の事情(?)で健康保険と厚生年金関係の手続導入を1年延期することになりました。税と社会保障の一体改革。どうも後者に不安を感じるのは私だけでしょうか。

9月は長月。「夜長月(よながつき)」が語源と言われているそうです。秋の夜長、「中秋の名月」(9月27日)を肴に一杯!いかがですか。

「名月や 池をめぐりて 夜もすがら」(芭蕉)

(写真は昨年171年ぶりに出現したミラクルムーンです。9月ではなく11月でしたが。)

(代表 灘谷 和德)

ミラクルムーン4

2015/08/01

2015年(平成27年)8月 葉月

 いきなり私ごとで恐縮ですが・・・。先月末に私の手元に「シルバー手帳」が届きました。他人事のように思っていたことが、私も当事者になったことをリアルに実感した瞬間でした。こうなった以上、福岡で最もシルバー手帳が似合わない人間を目指してみようと思っています。どうぞこれからもよろしくお願い申し上げます。

 さて、今年は戦後70年の節目と言うことで、いつもとは若干空気が違うように感じます。10年おきになぜ総理大臣がコメントを発する必要があるのか個人的には疑問を感じますが、海外はもとより、国内マスコミも大騒ぎ。いつまで続くんだろうと思います。国民の心にある非戦・嫌戦の強い思い、戦後積み上げてきた国際貢献、もっと自信を持って大人の振舞いをすればいいのでは、と思います。

 そんな中、今月は次の一文をご紹介したいと思います。月刊誌『文芸春秋』(8月号)に掲載された『月白の道』~これだけは読んでほしい、文学的従軍記の傑作~ です。久留米の医師故丸山豊氏が自身の戦争体験、それもかの悪名高い「インパール作戦」に関係するビルマ(現在のミャンマー)北部戦線に軍医として従軍した戦地体験記です。西日本新聞に連載されたものを、昭和45年に『月白の道』(創言社)として出版されています。単なる記録重視の戦記ものではなく、実に文学的な記述が多く、従軍記の最高傑作との評価を受けているようです。本文からは戦争の悲惨さ、不条理さはもとより、人(ここでは大本営や上官)が下す判断の重さがひしひしと伝わってきます。

 実は、著者のご長男丸山泉氏(医療法人社団豊泉会丸山病院理事長・院長)が私のロータリークラブを通しての友人です。彼とはかなりご無沙汰していましたが、今回の月刊誌を通じて再会できたような気がしています。

 関心がお有りになる方は単行本か、月刊誌(一部抜粋で掲載)をご一読ください。但し、月刊誌は10日過ぎには新刊に置き換わるようですが。

 今月の写真はハウステンボスで撮影した打ち上げ花火です。(今年ではありませんが)

(代表 灘谷和德)

ハウステンボス花火1

ハウステンボス花火2   ハウステンボス花火3

 

2015/07/03

2015年(平成27年)7月 文月

 7月に入りました。博多の街は、15日まで「博多祇園山笠」で賑わいます。この山笠のお話しは昨年7月のこのコラムで触れましたので今回は省略いたします。
 さて、今回は「ふるさと納税」のことを取り上げてみます。
ふるさと納税を扱う、あるポータルサイト運営会社の調査では、昨年寄付を受けた自治体の上位10位中、何と5自治体が九州でした。第1位はよくマスコミでも紹介されている「平戸市」です。同市のHPを見ると平成26年度の寄付金受入れ実績は約14億7千万円。人口が33,448人(6/1現在)ですから、住民一人当たり平均約44千円の寄付を受けたことになります。(1戸当たり平均約103千円)また、制度が始まった平成20年度からの寄付金累計額の97%が昨年度に集中したようですから大ブレークと言いていいでしょう。ポイント制の導入というアイデアが功を奏したようです。

ご存知の方も多いと思いますが、今年は税制改正で次の2点が大きく変わりました。
①    実質自己負担2千円で寄付できる限度額が2倍に拡大
②    5自治体までの寄付であれば条件付きで確定申告が不要
これを受けて、各地方自治体は更に「贈答品」にアイデアを凝らして、寄付者(納税者)心理をくすぐっているようです。
 この「ふるさと納税」制度。どうしても「贈答品」という目の前にぶら下げられた「ニンジン」に目を奪われがちですが、実際やってみると、その地域に対する興味や関心が湧いてくるものです。機会があれば訪問してみようという気持ちになったりもします。ふるさと納税は、「もの」だけではなく「こころ」の交流があって持続可能になるような気がします。

 ところで、政府は「ふるさと納税」を「地方創生」の切り札のように位置づけ、今後も推進を強化していくようです。先月末には、菅官房長官が秋田市での講演で「企業版のふるさと納税があってもいいのではないか」と発言し、財務省、総務省、内閣府に検討を指示したようです。どのような案が登場するのか興味津々、と言ったところです。

 さて最後にもう一言。高額所得者に優遇されていると言われるこの制度、14億円の役員報酬が報道された某上場企業の社長の場合はどうでしょうか。これぐらいの所得の人がふるさと納税する場合の限度額は約6千万円です。すなわち、6千万円までの寄付であれば、実質自己負担額2,000円で所得税・住民税がほぼ同額還付等されるというわけです。寄付額の40%~50%が贈呈される特産品の相場のようですから、2千円の自己負担で3千万円近くの品物やサービスが手に入ることになります。良し悪しは別として凄いことですね。(なお、受け取った特産品等は「一時所得」となるようです。念のため)
(代表 灘谷 和德)

2015/06/01

2015年(平成27年)6月 水無月

 私は昭和25年生まれの寅年です。小学校低学年の時、すなわち昭和31年・32年・33年に、今では伝説ともなった西鉄ライオンズの日本シリーズ3連覇がありました。有難いことに、私はその3連覇の試合を父親に連れられ平和台球場で観戦しています。はっきりとした記憶はありませんが、球場が凄い盛り上がりだったことと、「稲尾~!」「中西~!」「豊田~!」と言った叫び声にも近い歓声が上がっていたことはよく覚えています。ここが私の野球好きの原点だったようです。

 その時のことを振り返って、中西太さんが書かれた本に次のような一節がありますのでご紹介します。いささか長くなりますが、私にとっては、いや、現在の経営者の方々にとってもとても参考になると思われる一文なのでお付き合いください。

「(当時常勝球団のパ・リーグ南海ホークスとセ・リーグ読売ジャイアンツに対抗して)南海を倒してリーグ優勝しない限り、三原(脩、西鉄ライオンズ監督、筆者注)が巨人に挑戦する権利は手に入らないのである。そこで三原が考えたのは「遠心力野球」という発想だった。

南海や、巨人といった名門のオーソドックスな組織中心スタイルは、三原によれば「求心力野球」である。目標に向かって心をひとつにし、フォア・ザ・チームに徹するためには決めごとで選手を縛りつける。その管理が、求心力だ。それなら、管理よりも個性を尊重したらどうか。ときには中心を向かず、軌道から外れそうになっても、とてつもないエネルギーを発する。それを利用するのが、求心力に対する遠心力という考え方だった。

 管理、管理でスキのない野球をしてくる南海をやっつけるには、ときにはめちゃめちゃでも、強大なエネルギーを持つ個性・・・。むろん個性といっても、野放図に放任するのではない。しつけは厳しかった。エラーはしかたないにしても、集中していれば防げるいわゆるボーンヘッド、守備ではスキップしないなどの簡略動作、そして他人に迷惑をかけることに関しては、ことのほか厳しかった。」

(「西鉄ライオンズ 獅子たちの「闘争」」 中西太著 ベースボールマガジン社)

 この対比話は以前からいろいろな方々が語ってこられています。私も「求心力経営」と「遠心力経営」と読み替えて、常に検討テーマとして持ち続けています。皆さんはどうお考えになりますか?

 写真は左から、中西太氏、豊田泰光氏、故稲尾和久氏の直筆サインボールです。

(代表 灘谷和德)

 

中西太サインボール 豊田泰光サインボール 稲尾和久サインボール

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